
8月29日(土)、静岡県静岡市を流れる藁科川で「サンラインカップ鮎2015藁科川大会」=サンライン主催=が開かれた。参加者118人がぐずついた天候のなか、熱戦を繰り広げた。
午前6時、オトリや食事を扱う釣具店・さおしん前の広場に集まり、本紙でもおなじみ、サンラインフィッシングガールのそらなさゆりさんが司会を務めて開会式。主催者から、ルール説明と雷に対する注意喚起。大会は予選、決勝ともにトモ釣りで釣ったアユの尾数を競う。
予選は7時から開始。11時までに帰着し、検量を行う。さおしん前を中心に上流をA、下流がBとし、各ブロックで上位の2割が勝ち残る。女性3人が優先的に入川し、オトリの配布とともに各自が順番に希望のポイントへ入る。
前日までの雨のせいで大水になり、アカ着きが少ない。魚が落ち着いていないのかハミ跡はあるものの、ナワバリ形成には至っていないようだ。普段は掛からないような砂底でぽつぽつ上げた人もいた。
10時をすぎると続ぞくと検量。このころから雨が降ったりやんだりの悪天候に。かなり状況が芳しくないようで選手たちは「厳しい」「ダメだった」などと話す。そんななか、前年度優勝者の上田弘幸選手が登場。舟のなかからはゴロゴロと魚が跳ねる音が漏れ、周囲の期待が高まる。結果は、半数以上がツ抜けできない状況でダントツの15尾。「石の横で止める感じで、竿を寝かせておく戦法が当たった」と上田選手。Aは6尾以上、Bは8尾以上釣った選手が決勝に進出した。
正午から決勝が開始。エリアが狭まり、各自が思い思いの場所へ散らばる。午前中と状況はあまり変わらず選手はポイントを探して右往左往。途中、日が差して状況は改善するかと思われたが、それも少しの時間だけ。アッという間に2時になり検量へ。
5尾以下の人が大半を占めるなか、上田選手が8尾を持ち込み会場はどよめく。連覇かと思われたが、野崎洋美選手が同数を持ち込む。
「おそらく早掛けになるだろうから竿はしまわないで」と主催者。しかし、直後に西部俊希選手が9尾を持ち込み、優勝が決定。規定により2位、3位を決める早掛け対決が行われるはずだったが、ここで野崎選手にアクシデント。準備中に竿が折れてしまい主催者判断で上田選手の不戦勝。4位の小野田清時選手と5位の高柳孝選手は7尾で並び、こちらは規定により、ジャンケンで順位を決定。僅差の勝負を制し、西部選手が栄冠に輝いた。
西部選手は今大会初出場。藁科川は3回目という23歳の若手ながら父、祖父ともアユファンだった影響で釣り歴は8歳からというベテラン。「選択したポイントは、予選が富沢橋の下流、決勝はさおしん下流の流れがぶつかるカーブの先(通称:釜戸)。一日を通して引き釣りを行った。変化のあるポイントを狙い、反応があった場所で止めて待つ釣り方がよかった」と語った。
表彰式のあと、安倍藁科川漁協組合長からあいさつ。抽選会が行われ、特製仕掛けや甘いスイカなどうれしい景品が参加者の手に。最後にジャンケン大会が行われ、大いに盛り上がりイベントは幕を閉じた。
入漁料は日券¥1500、現場日券¥2500。
▼問い合わせ
安倍藁科川漁協 http://abewarashina.com/
TEL054(272)3111
<週刊つりニュース東京本社・小谷友樹>